HOMEtopics1 >  三重県におけるカシノナガキクイムシによるブナ科樹木集団枯損の現状


● 三重県における カシノナガキクイムシによる ブナ科樹木集団枯損の現状

現在 三重県において ’ナラ枯れ’ と呼ばれる被害が蔓延しつつあります。 
ナラ枯れとは 簡単に言いますと 樹木の伝染性の病気で ブナ科樹木が 集団で枯れるという病気です。
ナラ枯れについては 下記 ページに判りやすく掲載されていますので 是非 ご覧になってください。 

(独)森林総合研究所    http://cse.ffpri.affrc.go.jp/keiko/hp/kuroda/Naragare.html
滋賀県森林政策課     http://www.pref.shiga.jp/d/mori/omoshiro_jyoho/05.html


■ ここが違う!三重県でのナラ枯れ

全国に蔓延しつつある ナラ枯れですが 実は 三重県は特殊な情況になっています。 
それは カシノナガキクイムシ(以下:カシナガ)による被害は 今までは 同じカシナガによるものだと考えられてきました。 
しかし 数年前に カシナガには2系統ある事がわかってきて、これらは 通称 
グループA グループB ’日本海型’’太平洋型’ と呼ばれています。 三重県は この2種類の被害を同時に受けているという 全国でも珍しい被害形態 となっています。



グループA(左) と グループB(右) の比較日本海型(左) と 太平洋型(右) の比較
(※東京都の島での被害が日本海型であった事から、呼び方が変った。)    
 
 (太平洋型) グループBの特徴は 一回り大きいことです。
 
マメ知識:
クワガタムシなど、幼虫の栄養状態が成虫の体サイズに大きく影響する種と異なり、養菌性キクイムシ類は菌類を食して生育するのでそれほど種内で
 体サイズの変異は大きくないと言われています


 ※ どちらも オスです。
写真提供:石黒秀明会員





三重県における被害推移の詳細
 太平洋型 グループB
 1999年  紀伊半島南部にて 初めてカシナガによる被害が確認された。
        その後 段々と北上をし 被害拡大が懸念されたが 3年目以降、ほとんど目立たなくなった。
 2007年  また被害が目立ち始める。 
 2008年  さらに北上をし 現在に至る。
      
     
 日本海型 グループA
 2007年    桑名市内にて 三重県最初の日本海型の被害が確認される。
 2008年   北勢町にて被害木が5本発見される。 関西森林総研が現地入りし被害調査を行った。
         桑名、北勢町での被害は愛知県からの侵入と考えられている。
 2009年   北勢町でかなりの被害量が確認された。 また樹種も コナラだけではなく クヌギ、シイノキなども確認された。 
         穿孔だけの被害は シラカシも確認されている。

 三重県内でカシナガに穿孔を受けた樹種 : コナラ、コジイ、ウラジロガシ、ウバメガシ、クヌギ、ツクバネガシ
                             アカガシ、アラカシ、ミズナラ、シラカシ、サクラ、アカメガシワ

         このうち 枯死が確認された木 : コジイ、コナラ、ウラジロガシ、ウバメガシ、クヌギ




 ■ カシナガに関する写真ギャラリー


写真提供:中村昌幸会員
  カエンタケ ’Podostroma cornu-damae’

  名前の通り炎のよう。

  ナラ枯れと関係があるのか無いのか良くわかっていないが
   不思議とナラ枯れ被害木で 良く見かけられる。

  
注!:皮膚刺激性が強くキノコを触っただけで皮膚が
      ただれることがあり 汁に触れたら皮膚がただれる。
      食べるなんてもってのほか! 
フラスのアップ写真です。 
メス成虫が坑道を掘っているステージ

フラス(木屑)は丸い。

写真提供:石黒秀明会員

写真提供:石黒秀明会員
   NCS処理された被害木根株。 
   処理後 10ヶ月経過し撮影。
   
   
(NCS処理とは薬剤を切り株に流し込み中に居る
    カシナガを殺虫する作業です。)
  ビニールで樹幹を被覆された為に脱出できない
  カシノナガキクイムシ

写真提供:石黒秀明

写真提供:石黒秀明会員
  オス成虫が穿孔直後と思われる孔。
  
  フラス(木屑)は繊維状
 ビニールで樹幹を被覆され脱出できない為に

 また同じ樹に穿孔したと思われる状態。

写真提供:石黒秀明会員

写真提供:石黒秀明会員
 被害木を切り出ししばらく 置いておくと 写真のような
 カビが生えてくる。 
 同定はしていないがこれが ’ナラ菌’ だろう。

 ※ これはナラ枯れじゃ無いよ!

 カシノナガキクイムシによる被害と良く似ている為

 間違えられる ’ヨシブエナガキクイムシ’の例。


 ’ヨシブエ’ は カシナガに比べて小さいので
 穿孔孔も小さくなる。 孔の大きさで区別できる。
 
 ただ ヨシブエは枯れた樹に穿孔するので
 こいつが原因で樹が枯れる事は無い。


 樹木が何らかの原因で枯れてから 穿孔を受ける。

写真提供:石黒秀明会員


世界遺産 白川郷のナラ枯れ

写真提供:石黒秀明会員

写真提供:石黒秀明会員


動画をご覧下さい。
ビニール被覆内で脱出できずに居る カシナガ。 
よく聞くと カシナガ特有の ’キュキュ!’ と言う泣き声も聞けます。 

石黒秀明 撮影
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