HOMEtopics2  樹木医目線で巨樹めぐり  Vo2.事実上 国内No1? 青田の大カシ

樹木医目線で巨樹めぐり  Vol.2  

 ■ 国内最大級の巨木を訪ねる

   三重県には、「地蔵大松」、「宝林寺のコウヨウザン」など、国内最大級の巨木も何本か存在しています。

   今回は、その中の1本を訪ねてみたい。
   

  名称:「青田(おおだ)の大カシ」
  所在地:松阪市飯高町青田字加杖坂855番地 

 樹種はアカガシである。
 樹高18m、枝張り24m、地上1.3mの幹周は*約7.3mあり、特に幹の太さは特筆すべきもので、環境省の
 巨樹・巨木林データベース(青田の大カシはなぜか未登録)を参照すると、アカガシとしては全国5位に相当
 する大きさである。なお、他の樹は既に主幹が朽ち果てて樹勢が衰えたものも多く、主観的には、この樹が
 全国で一番立派だと思っている。
 (*当該株は幹の凹凸が著しく、地上3m程で複数の幹に分かれているため(その部分の周囲は10m近い)、測定の位置によって数字が
 大きく異なってしまう。また、斜面に生育しているため地上1.3mの位置を定め難い。)


 大カシの樹冠。整った半球形をしていて、一見するとタブの樹の様だ。照葉樹林に似合う樹だが、
静岡県の函南原生林(本来の原生林ではないが通称)では、ブナとともに巨木に育っていたりして、
かなり冷涼な気候に順応した樹種である。ちなみに、ここの標高は500m程である。


南側は傷も多いが、樹勢の良さを感じさせる。


北側は胴吹き枝が出ている。

カシの材は非常に堅くて丈夫なのだが、自然状態では比較的腐朽しやすいようで、カシ巨木の多くは幹が空洞化
 しているものだ。この木も大枝をもぎ取られた穴がいくつも開き、内部は完全に空洞化しているので、南面に伸びた
 大枝は近いうちに折損すると思われる。自然の中で生育してきた樹であるので、自然に任せるという考えもあるが、
 支柱をもうけて保全すべきかどうか? 主幹についてもこのまま保存していくのか?(この場合、根本から倒壊する
 危険がある?) 大カシを被圧している北側の樹木を除去しなくて良いのか? 
 保全方針については、いろいろな意見があることだろう。


枝の多くは南側へ延びている。多くの大枝を失った跡があり、その穴も目立つ。 

 
山側の樹木に被陰されて、北側にはほとんど枝張りがない。ゆえに大枝の折れた穴も少なく、比較的健全な幹に見える。



 
幹の内部を上向きに撮影。不定根が見えるが、それほど発達はしてい
ないし、むしろ枯死しつつある様だ。
地上近くに新しい根が直線的に伸びている。落葉楽落枝・表土が失わ
れ、根が浮いているので、細い根は枯死する恐れがある。


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