HOMEtopics2  樹木医目線で巨樹めぐり  Vo3.杉以外の一番背の高い樹を訪ねる

樹木医目線で巨樹めぐり  Vol.3  

■ 一番?背の高い樹を訪ねる −スギ以外の樹種編−

   第1回では、結果としてスギばかりを訪ねましたが、他の樹種ではどうなのでしょうか?スギに対抗できる樹種は無いのか?
   県内で背が高いと思われる樹を、樹種別にピックアップしてみました。
   

 
まずは針葉樹(裸子植物)から行ってみましょう。
 
松阪市蘭宇氣白神社神社のモミ(県内最大)です。樹高39m、幹周4.5m


津市北畠神社のクロマツです。樹高38m、幹周3.27m、樹齢166年


滝原宮のヒノキ(樹高35m)と宝林寺のコウヨウザン(樹高35m)


伊賀市霊山寺のイチョウ(樹高32m、幹周4.32m)と亀山市宗英寺のイチョウ(樹高30m、幹周7.63m)


 ここから広葉樹(被子植物)です。

熊野市赤倉のカツラです。樹高35m、幹周9m


水屋の大クスです。樹高38m、幹周13m

 
大台町江馬 萩原神社のイチイガシ(樹高40m、幹周3.58m)とシイ(樹高33m、幹周2.5m)


真幅院のケヤキ。樹高34m、幹周6.1m


下記の図は、樹高の測定時にありがちな測定誤差の例です。どちらのケースでも過大な樹高が測定されます。
 

 特にワイゼやブルーメライスといった一般的な樹高測定器を用いたり、
根元までの距離Lと、測定者から見て最も高い枝先の角度θを測定する方法では、これらの誤差は避けられません。
 特に広葉樹の場合は、このような誤測定による過大な数値が多いです。全国では、ケヤキやクスで50m以上の樹高の報告もありますが、
実際には40m以上も極めて稀であり、上述のとおり測定の誤りと思われます。

 上記の誤測定を防ぐには、角度を測った先端部分までの距離をレーザー測距機等で測定するのが手っ取り早いのですが、
頭を使って工夫をすれば、メジャーや分度器の様な一般の器具だけでかなり正確な測定が可能です。方法は一つだけではありませんので、
皆さん良い方法を考えて見てください。


 以下、表にまとめました。
樹種 所在地 樹高(m) 測定方法* 備考
モミ 松阪市柚原町 蘭宇氣白神社
39
LS+HL やや斜めに立つ、測定誤差に注意。全国では50m位のものも
あり、スギと高さを競える数少ない樹種
クロマツ 津市美杉町上多気 北畠神社
38
メジャー+WH マツ材線虫病により枯死。全国ではかっては60mに達するも
のもあったが、現在は40m以上は極めてまれな存在。
ヒノキ 大紀町滝原 滝原宮
35
目測 全国的にも40mを超えるものは少ない。
コウヨウザン いなべ市北勢町東貝野 宝林寺
35
LSH 国内最大級。全国でも35m位が最高だが、日本に伝来して2
00年程度なので、まだまだ記録は伸びそう。
イチョウ 伊賀市下柘植 霊山寺
32
LSH 上部の枝が広がり、測定誤差に注意。全国では40m以上も多
く、50m近いものもある。上部で枝を伸ばすので、実際以上に
高く感じる。
カツラ 熊野市有馬町赤倉
35
目測 全国では40m以上も多く、50m近いものもある。
クス 松阪市飯高町赤穂 水屋神社
38
LS クスとしてはかなりの樹高。全国では30m位は普通に伸びる
が、40m以上はかなり珍しい。
イチイガシ 大台町江馬 萩原神社
40
LS 周囲のスギにひけをとらない。伊勢神宮の社葬ではスギ・ヒノ
キに混じって高く聳えている。広葉樹としては珍しく直幹高く聳
える樹形。
シイ
33
LS シイとしてはかなりの樹高だったが、倒木してしまった。30m以上は珍しい。
ケヤキ 津市美杉町三多気 真福院
34
LS 全国では30m位は普通に伸びるが、痛みやすいので、40m以上はかなり珍しい。
* LS:レーザー測距機、 LSH:高さ測定機能付きレーザー測距機、 HL:ハンドレベル、 WH:ワイゼ測高器


この外に背の高い樹をご存じでしたら、是非、情報提供願います。
なお、樹高の測定には誤差がつきものですので、この値は参考程度に留めておいてください。


このページのトップへ