合格者体験記

『2度目の挑戦』

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東 直貴(第3353号 樹木医) 令和6年度合格
「あぁ、駄目だった・・・」樹木医試験一次審査合格発表を見て思わず口からこぼれました。頭には仲間2人の顔が浮かびます。1年前に仲間3人で合格を目指そうと約束したのに、私だけが不合格。3人での樹木医合格を目指し努力を重ねた1年が無駄になってしまったという無力感と、全員揃って合格とならなかったことへの申し訳なさ。2人にどんな顔をして会えばいいのかと途方にくれました。幸いなことに2人からは「来年の合格を待ってるよ」と、暖かい励ましの言葉をもらうことができ、もう一度気を引き締め直して次の一次試験に向け勉強を再開しました。  子どものころから自然や虫が大好きで外で遊びまわっていた自分にとって、自然の中で働く林業という仕事はとても性に合っていました。しかし、長く続けるにつれ経験則に頼る管理方法や、植林とそれをとりまく植林以外の環境についての知識の無さに疑問を覚えることが多くなってきました。しかしその疑問を解決できるような魔法のような物も無く淡々を仕事をこなす日々。そんな折に友人に誘われ「樹木医」という存在を知り、学ぶことで仕事のスキルアップに繋がるのではないかと思い受験を決意しました。しかし結果は前述の通り。  樹木医の手引きに何度も目を通し過去問を繰り返しやるような勉強方法が中心で、とにかく知識を頭に詰め込むことで精いっぱいだった1年目の勉強と違い、2年目は少しずつ書いてあることをイメージできるようになり、意味を理解した上で頭にインプットすることができ、選択問題については少し心に余裕が出てきました。論述の勉強では正しい回答例が無い中で、問題の意図や樹木医の観点からどの様な答えを求められるのかなどを念頭において、何度も書く練習を行いました。心が折れそうなときもありましたが、先に樹木医となった友人二人の顔を思い浮かべながら勉強をやり通すことができ、何とか一次試験当日を迎えることができました。1か月後の結果発表では「合格」の二文字を拝むことができ、涙がこぼれる程嬉しかったことをいまだに思いだします。  つくばでの二次研修も無事に終え、やっと樹木医としてのスタートラインに立つことができました。試験の時に勉強した知識をこれからの実務を補完するための材料として携え、日々研鑽していく所存です。これからお世話になる樹木医の先輩方や仲間に教えを請い、そして協力しながら、みんなに憧れをもたれるような私なりの樹木医像を目指して頑張ります。

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