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令和5年度 樹木健康診断・調査

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調査時期 令和5年4月28日
調査場所 伊賀市柘植町(柘植小学校) 伊賀市柘植町(余野公園)
対象樹木 ウツクシマツ
依頼内容 松枯れ傾向あり、植栽の健全性を調査したい。今後どのように保護していったら良いか思案している。
結果 (柘植小学校)記録では、樹齢100年前後と言われています。西側は、アイグロマツと推察されます。枯葉性の病害が若干発生も樹勢は特に問題認められません。東側は、本来のウツクシマツの形状です。3本の幹全てに腐朽開口部があります。樹勢はまずまずです。腐朽開口部の状況等から経過観察と共にマツ材線虫病対策継続も必要です。 
(余野公園)以前は、多数のウツクシマツが生育していましたが現在、大部分が枯損し残っているウツクシマツも樹勢が衰弱している個体が多いです。マツの材線虫病被害木が林内放置されています。感染源となるため伐採処分と共に薬剤等による予防対策が必要です。
担当者 大石 浩、広瀬 信三、奥田 清貴

余野公園のウツクシマツ
調査時期 令和5年5月10日
調査場所 津市芸濃町河内地内(津市錫杖湖畔キャンプ場内)
対象樹木 ケヤキ(26 本)
依頼内容 ケヤキに関する樹木健康診断。テントサイトに隣接する樹木について、倒木の危険があるか助言をお願いします。
結果 調査対象のケヤキは植栽後 30 年以上経過し、樹冠が重なり競合して被圧され樹勢が衰えているものや傾いているものがあり、今後管理がされなければ倒木につながる危険性があると考えられる。また病害等は見られず、枝枯れと落枝が目立ち、不適切な剪定方法が原因とみられる枝枯れも見られた。その他、過去に結ばれ樹体に食い込んだロープなどもあった。 枯れ枝や食い込んだロープの除去に加え、競合し被圧されているケヤキは樹勢衰退が進むことのないように間引きを行うか、高さを低くする強剪定を行う必要があることを説明した。
担当者 柳田国男、鈴木孝明・他2人

テントサイトに植栽されたケヤキ
調査時期 令和5年5月10日
調査場所 旧青山支所跡地(伊賀市阿保1411) 東西各1本
対象樹木 ケヤキ2本
依頼内容 両樹木とも1908年植樹(樹齢115年)と伝えられている。 同地では昨年度中に建物の解体を行っており、今後、周辺施設の駐車場やケヤキを中心とした緑地として整備予定のため、両樹木の状態を調査し、必要な措置を検討したい。
結果   ケヤキ2本(西木、東木とする)は、旧青山支所の跡地に生育し、その跡地は周辺施設の駐車場として利用される予定である。しかし、この2本のケヤキ周辺は市民の憩いの場として緑地として利用することが決まっている。東木は周囲に均等に枝葉を伸ばしており、主幹などにも特に問題は見られないことから概ね健全と判断した。一方、西木は5年前に根元地際部にベッコウタケが確認され、樹木医による土壌改良と造園業者による大枝(枯死)の剪定が行われた。この剪定により極端に南に傾いた樹形となった。その後、担当した樹木医により不定期ではあるが、経過観察が行われた。  その樹木医によると、西木はバランスを保とうとするかのように北方向への枝を順調に伸ばしているとのことであった。今回の調査では、南方向へ伸びすぎた枝と危険と思われる枯死した枝を伐ることが提案された。
担当者 石黒秀明、廣瀬信三

西木を東方向から撮影
調査時期 令和5年5月17日
調査場所 亀山市本町1丁目 亀山市立亀山東小学校
対象樹木 亀山東小学校の学校林のモミジ2本、サクラ2本、クスノキの5本
依頼内容 校内の樹木に腐朽が見られる樹木があり、倒木の危険性を調査されたい。
結果 学校林の斜面下部に生育するモミジは幹、枝にカミキリムシ被害で枝枯れが多く、折損・落下の恐れがある。1本のサクラは枯死後数年が経過し、倒木の危険がある。他方のサクラも主幹は枯死し、ヒコバエが数本生育してが、これを育てるには、周囲の樹木を伐採しなければならず、伐採が妥当である。クスノキは根元に大きなコブがあり、樹形が乱れているものの、樹勢は旺盛である。学校林は管理不足で常緑樹が増えつつある。サクラ、モミジなどの落葉樹の生育させるためには、計画的な除伐、間伐等の人為的な管理が必要である。
担当者 石黒秀明、奥田清貴、柳田国男
調査時期 令和5年5月18日
調査場所 津市上浜町6丁目地内
対象樹木 サクラ
依頼内容 ①道路と池の間に植生している。 ②幹に大きな亀裂が見受けられる  ③幹をコケが覆っている 
サクラの根により道路の舗装が破損しており、舗装の復旧を予定している、サクラの状態を考慮し、復旧方法の検討を行いたい。
結果  診断対象のサクラ2本(西木、東木とする)は兵丹池沿いに通る市道のガードレール外側の狭い場所に隣接して生育している。西木はほとんど枯死しており、また根元部分に大きな開口部があり中は空洞化が進んでいた。また部分的に裏側にまで貫通しており、樹体を支える強度は極端に落ちていると判断した。よって伐採が妥当と判断した。
 一方東木は、根元から3本の主幹に分かれており、道路側の主幹は完全に枯死していた。残りの2つの主幹は枝葉を多く繁らせ、一見には健全に見えた。しかし、2本の主幹共に根元付近で入皮状態であったのか幹割れが見られ、池方向へと大きく傾いていた。現状これらの枝は、幹の地際部やその根系に大きな荷重をかけている。サクラの樹勢は問題なくとも突然倒木する可能性も考えられることから伐採が妥当であると判断した。
担当者 奥田清貴、石黒秀明

西木の根元の大きな開口部 (部分的に裏側に貫通している)
調査時期 令和5年5月18日
調査場所 菰野こども園のニセアカシア
対象樹木 ニセアカシア(ハリエンジュ)
依頼内容 最近、枝が風で折れやすくなってきており、造園業者からは内部が腐 朽等により密度が低くなっているのではと説明を受けた。
結果  当該樹木は保育園の園庭のほぼ中央に生育しており、周囲に他の植物はなく単独孤立木となっている。根元周囲は、日々、園児らの踏圧を受けており土壌は締め固まった状態であった。その影響と考えられる枝枯れが梢に散見された。また幹には地衣類などのコケが多数付着した部位が見られ、全体としても樹勢低下の傾向が伺われた。また、主幹の地際部にはモルタルが詰め込まれた開口部(80㎝×80㎝)があり、内部はそれ相当に腐朽が進んでいると考えられた。  ニセアカシアの樹勢回復そのものを行うことは不可能ではない。そして枯死枝などを事前に剪定除去することで直近の危険性を下げることは可能である。しかし、モルタルが詰められた開口部は、一度取り外し腐朽の程度などを確認し、その上でどのように取り扱いかを考える必要がある。  また、当該ニセアカシアは樹齢は30年を超えている。ニセアカシアは短命で、この樹齢になると、もともと倒木しやすいという性格の樹種である。よって、根元開口部の診断結果によっては、即伐採もあり得る。つまり、当該樹木を短期的に診のるか長期的に診るのかで、その判断は変わる。これらの状況を踏まえて今後の方針を打ち出すことが重要である。  
担当者 早野 愛花、石黒秀明
調査時期 令和5年5月23日
調査場所 伊勢市小俣町本町地内 離宮院公園
対象樹木 ウメ
依頼内容 公園内の梅に関して、生育が悪く枯死状態のものも多いため診断をお願いしたい。
結果 調査対象の梅は公園の北側と、GLが低くなった南側の2区画に植えられている。害虫はカイガラムシ類、アブラムシ類が確認されたが、十分な防除が行われているようで個体数は少なかった。また施肥の効果により根元の草が周囲に比べ鮮やかな緑を呈しているにも拘らず、北側区画では全ての個体で衰退が見られた。衰退木周囲では高木類の成長が抑制されている反面、ツツジ類などの低木類は健全な生育がみられた。このことから梅の衰退原因は管理面ではなく土壌に問題があると考えられたが、現地は国指定の史跡であるため掘削調査ができず実際の状況は確認できなかった。
担当者 中村昌幸、鈴木孝明
調査時期 令和5年6月14日
調査場所 津市一志町みのりヶ丘地内
対象樹木 ヤマモモ
依頼内容 公園内の樹木について、倒木の危険があるか助言をお願いします。
結果  対象のヤマモモは中央みのり公園内に植栽され25年が経過していた。一見には2本の幹に分かれた双幹木で、1本の樹木に見えたが、これらは2本の樹木であると判断した。  一見して樹勢は悪くは見えないが、枝の部分的はエリアでは葉が疎になっており、衰弱傾向が伺えた。また近隣住人の話しによると、ここ数年の実の結実はよくないということであった。調査当日はヤマモモの実は結実する時期であったが、当該ヤマモモには結実は確認できなかった(公園内の他のヤマモモでは確認した)。  地際部に開口部があり、もし、当該樹木が折損するとすればその部位であると判断したことから、その高さの空洞率を目視および触診によって行った。その結果、空洞率は比較的高いものの直ぐに折損に至るとは考えにくいという判断をおこなった。しかし、安全のためにこの2本の主幹を樹上で、特殊なロープを使ってつなぎとめることが必要と判断した。  根本周囲の土壌は踏圧を受けていなかった。部分的な樹勢衰弱傾向の要因は他にあるであろうが、今回の簡易的な調査では原因を突き止められなかった。
担当者 鈴木 孝明、石黒 秀明
調査時期 令和5年6月29日
調査場所 南伊勢町河内487番地
対象樹木 河内のイチョウ
依頼内容 イチョウの葉が年々小さくなっているので樹が弱っているのではないか。そのための対策をした方が良いのか?
結果 調査対象のイチョウは樹高20.0m、胸高幹周5.2m、枝張りは東側6.2m、西側9.0m、南側8.0m、北側9.0m。葉の色と量は正常とみられるが、葉の大きさが幅5~7cmで少し小さく樹勢は低下していると考えられる。対象木の周辺は砂を何度か客土されており、現在ゲートボール場として使用されていることもあり、表土の締固めや人による踏圧で土壌が固結して根の伸長が抑制されたことが原因で樹勢の低下を招いたと考えられる。土壌が固結しているため通気性を改善する処置が必要である。
担当者 柳田国男、浅野卓磨、奥田清貴
調査時期 令和5年7月6日
調査場所 南牟婁郡紀宝町神内958
対象樹木 神内神社のスギ
依頼内容 根元付近の幹の腐食や葉が一部枯れているものがあるので危険を含めて診断してほしい。
結果 対象のスギは神内神社の参道にあり、県指定天然記念物「神内神社社叢」の一部となっている。老齢木が多く根元に大きな開口部と腐朽が見つかった2本については安全が確保しづらく倒木の恐れがあるため伐採を勧めた。また、ほかのスギにおいても外観的に見てやや危険と思われたものも存在するが、すべてを伐採するわけにはいかないことから、枯枝の除去や折損しそうな枝の剪定程度に抑え、注意深く管理をしていくことを勧めた。最近は常識が通用しない大型の台風などの災害が多くなっているため、より注意が必要であることを付け加え説明した。
担当者 奥田清貴・中村昌幸・鈴木孝明
調査時期 令和5年7月6日
調査場所 熊野市紀和町長尾1122
対象樹木 長全寺のナギ(市指定天然記念物)
依頼内容 2年くらい前から葉の数が少なくなっており葉の一部が黄色になって樹勢がない状況であるので診断をお願いしたい。
結果 対象木は境内の南東角に高さ80㎝ほどの石垣で囲われた場所に生育している。全体的な葉量に異常は見られないが、5年前にはなかった樹冠頂点の枯枝と、新葉の未発達と落葉が確認された。これは樹勢低下の兆候と考えられ、特に根の生育障害がある場合に見られる症状と思われる。 また、8年前に本堂との間に永代供養塔が新設されており、その工事記録から地下施設が埋設された際に、主要な根がいくつか切断されたことが確認できた。以上の結果から工事によって根が切断されたことに加え、土中環境が変化し根の生育に障害となっている可能性があると推測された。今後は樹勢の推移を見ながら適切に対処していく必要がある。
担当者 中村昌幸・鈴木孝明・奥田清貴
調査時期 令和5年7月6日
調査場所 熊野市大泊町字横ヶ谷船石
対象樹木 大迫のニッポンタチバナ
依頼内容 日照が悪く、根元の腐朽も大きい。現況の調査と今後の管理の仕方についてご指導いただきたい。
結果 ニッポンタチバナは日本に野生する唯一のミカン類で、対象の個体は自生種である可能性が高く、タチバナ同士の交配による実生であろうと報告されている貴重な樹木です。現状はスギ植林地内にあって日照が十分ではなく、日照時間を確保するために劣勢木の伐採、優勢木等の枝打ちが必要な状態です。地際から主幹の大部分が失われていますが、揺れ具合を確認したところ、すぐに倒木に至るような揺れは感じられませんでした。ただし、主幹の強度が低下していると予想されるため、将来的な倒木のリスクは非常に高いことから、倒木対策として支柱または特殊なロープによるケーブリングを設置することを推奨します。
担当者 鈴木孝明・中村昌幸・奥田清貴
調査時期 令和5年7月10日
調査場所 津市矢頭中宮キャンプ場(津市一志町波瀬7753-1)
対象樹木 杉 7本
依頼内容 テントサイトに隣接する樹木について、倒木の危険があるか助言をお願いします。
結果 八頭中宮キャンプ場は県指定天然記念物「八頭の大スギ」が生育する区域にキャンプ場が設定されている。老樹も多く、幹に傷や枯れ枝のあるスギが生育しており、キャンパーらの安全のために樹木診断調査が行われた。そのような中、特に危険であると考えられた7本が選別され診断が行われた。その太さは人が抱きかかえられるものから10mに達するものまでさまざまであった。診断の結果、安全と言えるものはわずか1本で、残りの6本は「伐採勧告~要精密診断」で、倒木の危険性があるうるという結果となった。しかし、これは先にも述べたようにこの場所には古木が多いことも関係している。スギの大径古木は腐朽や大枝の枯死など何かしらの問題を抱えたものは多く、これはスギ古木の一般的な症状であるとも言える。安全面を優先してこれらの倒木危険性のあるスギをすべて伐採することは可能である。しかし、伐採すると周囲のスギの生育環境に影響を与え、残ったスギの樹勢衰退を招く恐れもある。
担当者 石黒秀明、奥田清貴
調査時期 令和5年7月24日
調査場所 大紀町野原地内
対象樹木 フジ
依頼内容 樹高2.5~3.0m・延長60mの木で、花は咲くが樹木に亀裂や、樹皮が取れている部分もある状態である。
結果  診断対象のフジ棚は、棚高2.5m・総延長60mで、新規に植栽された幹の細いものから1mを超える太いものまで複数の個体で構成されている。一部の個体の幹には腐朽が見られた。しかし、フジの幹の場合は、普通に見られることで、腐朽した反対側の幹は旺盛な肥大成長をしている。つまりフジそのものが何らかの原因で衰弱しない限り、幹が腐り込むことはない。これはフジ特有の成長であり、専門的な言葉では多重形成層という。植物は通常、1年に一つの年輪しか形成されないが、フジの場合、1年に複数の年輪形成が可能である。対処方法としては、腐朽部位を乾燥させるようにし、腐朽抑制剤の塗布などの方法がある(これらは腐朽を抑制するものであり、止めるものではない)。
 現在、フジの管理は自治体や森林組合で剪定作業で5月中旬すぎに花柄摘み、2月初旬に1年1回の剪定を行っているようであるが、剪定の度合いが薄く、ツルが絡み合い枝が込み過ぎている。剪定回数を増やし、花柄摘みは残さないよう丁寧に作業を行う必要がある。また、老齢木のツルは短く伸ばし、比較的若い個体のツルを伸ばして藤棚を構成するとよい。  
担当者 浅野 卓磨、石黒 秀明
調査時期 令和5年9月5日
調査場所 亀山市白木町307番13
対象樹木 中央広場のサクラ
依頼内容 広場内の部分的に枯れているサクラの樹勢診断及び維持管理について、対応方法をご教示いだきたい。
結果 対象のサクラは工場地帯に位置する中央広場に植栽されている。広場内のサクラは梢端枯れを起こし生育不良であるが、広場外周の樹木は健全に成長している。このことから広場の土地造成に問題がある可能性が考えられるため、サクラ1本を対象に周囲の土壌調査を行った。検査結果から、広場は山を切り開き、砕石を敷き、上に山砂を敷いて転圧し、その後植え穴を掘ってサクラを植栽したと推測された。また植え穴の土壌改良は行われず、山砂のみで植えられた可能性が高い。砕石の下は不透水層となっており、現状ではサクラの維持管理は難しため、広場全体の植栽基盤の整備と植え穴の土壌改良が必要であると依頼者に伝えた。
担当者 石黒 秀明・鈴木 孝明・柳田 国男・浅野 卓磨
調査時期 令和5年9月5日
調査場所 亀山市若山町4-7 亀山公園内
対象樹木 ケヤキ
依頼内容 樹木の根上がりにより園路に段差が生じ、利用者に対してつまづき事故の危険がある。その対策について対応方法を教授いただきたい。
結果 公園入口から奥へ続く進入路の両側に34本のケヤキが植栽されている。その中でケヤキの根の成長により歩道の盛り上がりや破壊箇所が見受けられた。原因としては根が地中に入り込まず土壌表面を水平方向に伸長し、肥大化した結果である。対策として防根シートを設置する提案があるが、支障となる根を切断することで樹木を弱らせ枯死させる可能性もある。枯死を免れた場合でも倒木の危険性も考えられる。対策として改植があるが、その際に根上がりを防ぐための植栽基盤を作成することが重要である。
担当者 石黒秀明、浅野卓磨、柳田国男、鈴木孝明
調査時期 令和5年10月5日
調査場所 尾鷲市曽根町地内
対象樹木 飛鳥神社 社叢 ホルトノキ、ハマセンダン、ムクロジ
依頼内容 社叢林の樹木が衰弱している原因の調査依頼
結果 社叢内のホルトノキH=18m、ムクロジH=22mは衰弱し、ハマセンダンH=20m、ウラジロガシは枯死している。ウラジロガシはカシノナガキクイムシによるフラス(木屑)が確認されたためナラ枯れによる枯死である。ムクロジの衰弱については密生した林の中で過度に上長成長した結果、幹の太さに比べて枝葉の量が少なくなり、今後は衰弱していくと予想される。枯死していないハマセンダンや他の樹木にもサルノコシカケが確認された。一番大きなハマセンダン(完全に枯死)については腐朽や虫害は確認されなかったため、年数を経ての衰弱が枯死の原因と考えられる。
担当者 玉野隆、浅野卓磨
調査時期 令和5年10月30日
調査場所 津市一志町石橋
対象樹木 石橋のエノキ
依頼内容 根元の幹の壊死部分が広がっており、倒木の恐れがあるか知りたい
結果 平成24年6月に主幹の一部が地際付近で折損した結果、樹冠が全体に南東側へ傾いた。折損した主幹の腐朽は進み、木材腐朽菌が至るところで発生している。主幹から根株への腐朽進行は激化し、太い幹も空洞化しており、樹体を支える強度は低下している。腐朽菌は当初の枝の折損部、枝伐採断面から侵入したと考えられる。設置されている2箇所の木製支柱も経年腐朽が進み、取替が必要になっている。支柱の更新のほか、倒木防止ワイヤ-支柱の設置、切り戻し伐採、剪定も必要である。
担当者 玉野 隆、奥田清貴
調査時期 令和5年11月20日
調査場所 津市一志町波瀬7751-1
対象樹木 矢頭中宮キャンプ場のスギ
依頼内容 キャンプ場内には約40本のスギがある。これらのうち倒木の危険があると思われるもの6本について助言をお願いしたい。
結果 診断したスギ6本は、樹高15m~22m、幹周囲は85cm~215cmで、樹皮にコケ類が繁茂し、いずれもほぼ直立している。幹には軽微な傷は確認されたが、幹そのものの腐朽(くさり)は無く、倒木の危険はまずないと判断した。 すべての診断木は、よほどの想定外の強風でも吹かない限り折損・倒木は考え難く、直ちに行うべきことは何もないと判断した。
担当者 奥田清貴、柳田国男
調査時期 令和5年11月20日
調査場所 いなべ市大安町大井戸
対象樹木 サクラ
依頼内容 倒木・落枝の恐れのある箇所の指示及び対処方法について助言依頼
結果 この桜並木は、宇賀川南岸の車道に沿って91本が生育しています。並木の南側には樹木が多く、桜は日光を求めて北側の道路に下枝を伸ばしており、樹形は崩れています。また植栽間隔が狭い場所が多くあるなど、条件は悪いですが、花付きは良い状況です。てんぐ巣病が多発しており、47本が罹病していました。全体として樹勢は悪くないですが、腐朽している主幹や大枝が多数見られました。道路に向かって伸びている下枝と併せて落枝・倒木の危険があり、てんぐ巣病の罹病枝と共に除去が必要です。
担当者 早野愛花、大石浩
調査時期 令和5年11月16日
調査場所 熊野市新鹿町
対象樹木 新鹿のニッポンタチバナ (熊野市指定天然記念物)
依頼内容 市天然記念物「新鹿のニッポンタチバナ」の樹木調査
結果 新鹿のニッポンタチバナは新鹿海岸に面する南東向き斜面の民家に生育している。市特産柑橘である「新姫」の母樹とされている。樹高は約5m、根元周囲44cmで若木に見えるが、以前の台風で本体部分が根元で折損したようで樹齢は200年以上とされる。8月までは地上2~3mに数本の枝が生存していたが、8月に上陸した台風で幹が大きく揺すぶられ、根が切断されてこれらの枝が枯れたものと考えられる。地際部はまだ枯死しておらず、萌芽枝があったと思われるが、シカに食害をうけたものと疑われる。
担当者 中村昌幸、奥田清貴